GETPASS(3) Linux Programmer's Manual GETPASS(3)
書
#include <unistd.h>
char *getpass(const char *prompt);
glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):
getpass():
glibc 2.2.2 以降:
_BSD_SOURCE ||
(_XOPEN_SOURCE >= 500 ||
_XOPEN_SOURCE && _XOPEN_SOURCE_EXTENDED) &&
!(_POSIX_C_SOURCE >= 200112L || _XOPEN_SOURCE >= 600)
glibc 2.2.2 より前:
なし
説
この関数は時代遅れ (obsolete)
である。使用しないこと。端末のエコーを有効にせずに入力の読み込みを行いたい場合は、
termios(3) の ECHO フラグの説明を参照のこと。
getpass() 関数は /dev/tty (プロセスの制御端末) をオープンし、文字列 prompt
を出力する。そして echo をオフにし、一行 (「パスワード」)
を読み込み、端末の状態を元に戻して、再び /dev/tty をクローズする。
返
getpass() 関数は入力されたパスワード (の最初の PASS_MAX バイトまで) が書きこまれた、
スタティックなバッファーへのポインターを返す。
末尾の改行は含まれない。この文字列はヌルバイト ('\0') で終端される。
このバッファーは、以降の関数コールで上書きされるかもしれない。
エラーが起こると、端末の状態を復元し、 errno を適切な値に設定して、NULL を返す。
エ
この関数は以下のような場合に失敗しうる。
ENXIO プロセスが制御端末を持っていない。
属
マ
getpass() 関数はスレッドセーフではない。
準
SUSv2 には存在するが、過去の名残 (LEGACY) と位置付けられている。 POSIX.1-2001
で削除された。
注
GNU C ライブラリの実装では、 /dev/tty がオープンできない場合は prompt は stderr
に書き出され、パスワードは stdin から読み込まれた。 パスワードの長さには制限はなく、
行編集も無効にはされなかった。
SUSv2 によれば、 PASS_MAX の値が 8 以下の場合は、この値は <limits.h>
で定義されていなければならない。 いずれの場合でもこの値は sysconf(_SC_PASS_MAX)
によって取得できる。 しかし、POSIX.2 は定数 PASS_MAX, _SC_PASS_MAX と関数 getpass()
を取り下げた。 glibc 版は _SC_PASS_MAX を受け付け、 BUFSIZE (例えば 8192) を返す。
バ
この関数を呼び出したプロセスは、 できる限り早くそのパスワードを消去 (ゼロクリア) し、
クリアテキストのパスワードが そのプロセスのアドレス空間で見えないようにすべきである。
こ
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部
である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/
に書かれている。
Linux 2014-08-19 GETPASS(3)